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2013年12月号

vol. 081

注文は宣告なく減っていく-という法則

~恐ろしいのは注文が減っていくことではく、減っていくのを知らないことである~

明日からもう注文しません。
そう言われたら、いくら鈍感な経営者も、慌てることだろう。
だが注文が減る時は、何も宣告されないってことを知ってます?

「来月から、ソバ麺は160袋でいいです」
長く製麺業を生業にしていた老舗の会社がある。
うどんやソバの麺を打ち、
大阪界隈の200軒もの先に、毎日、配達していた。
そんな中、ある「お好み焼き屋さん」から、こう言われたのである。
先月までは毎日200袋を配達していた。

景気が悪いんだろうな。
客足も減ってきてるんだろう。
製麺会社の社長はそう思ったらしい。
「分かりました。また景気も上向いてくるでしょう」
なんてノンキな返事をしたようです。

だが、ホントはそうではなかったのです。
実はこのお好み焼き屋さん、来月から、
他の製麺会社から、試しに50袋を仕入れることになっていたのだ。
だが長い付き合いの製麺会社の社長に、
「他から試しに買うので」とは言いにくかったのだ。
客足は前と変わらない。
つまり、ちょっとした浮気をしたワケである。

「注文は宣告なく減っていく」という法則がある。
なるほど。
注文をしなくなる時は「もう注文しません」と宣告してくれるのだが、
注文を減らされる時は、
わざわざ「徐々に注文減らしますね」とは言われない。

だが、200袋が160袋に、160袋が120袋に、120袋が80袋に、80袋が40袋に。
そしてハッと気付いた時には、
「あれ…?先月、注文なかったんじゃない?」
と立ちすくむのである。

世の中、とにかく、客の奪い合いである。
「ウチのソバ玉、一回でいいから使ってみて下さいよ」
「いえいえ、最初の100袋は代金なんて要りませんから」
ライバル会社は、常に、自分達より熱心だと思った方がいい。

一袋がたった数十円のソバ麺。
味にそんなに違いがないのなら、
ほんの小さな熱心さが、注文先を替えてしまうのだ。
ビックリするような「差」などない。
ある日突然に注文先を変えてしまうような「差」はないのである。
だから気付かないのである。

これをお読みの貴兄の中には、
逆にゆっくり発注を減らしていった側の人も多いはずだ。

毎回、電気回りの工事を引き受けてくれていた下請けのA社。
だが先月、小さなミスをしでかした。
クレームした時、素直に聞いてくれれば良かったのだが、
「ウチも精一杯なんですから」なんて逆ギレをされてしまった。
長い付き合いで、少し横柄にもなってきたのかもしれない。

そう言えば、先日「一度、工事をやらせて欲しい」と
飛び込んできた小さな会社があった。
「若い営業さんで、熱意もあったし、安くやってくれそうだ。
よし、じゃ一回、その新しいB社に発注してみるか」なんて。

そしてコソコソと「浮気」が始まるのだが、
長い付き合いのA社に、わざわざ、
「お前んトコ、最近ちょっと生意気なんで、前に飛び込んできた、
若いコのいるB社に、一回、頼んでみるからな」とは言わない。
黙って発注をする。
A社は、浮気を気付かない。
そして半年後、A社とB社は入れ替わっている。
よくある話ではないか。

蛙は、ぬるいお湯に入れてると、
少しずつ熱くしていっても、それに気付かず、
最後には、沸騰して茹であがって死んでしまうらしい。
人間も蛙も、ゆるやかな変化には、死ぬまで鈍感なのだ。

私は昔、注文をくれるすべての先の、毎月の注文数をグラフ化していた。
どんなに小さな変化も見つけるためだ。
「これは、たまたまかな…」
「ん…?これは景気によるものか?」
などとエンピツを舐め舐め、棒グラフを凝視する時期があった。

そうなのだ。ゆっくりと減らされたら、気付かないのだ。
「あれ?最近、あそこからの注文減ってない?」
って声が社内で上がれば、それはもう「赤信号」だ。
手遅れである。
それは、注文ををピタリと止められるより、タチが悪いのかもしれない。

安心しててはいけない。
平穏な日の西の空にこそ、明日来る暗雲が隠れているのだ。
注文は気付かぬうちに、静かに、静かに減っていく。
ほーら。言わんこっちゃない。

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 社長 谷洋の独り言ブログ