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2011年10月号

vol. 055

情熱のオクタン価

~情熱は若者の特権なのか?50歳を超えて湧き出る情熱のオクタン価~

若い頃、私はまごうことなき無類の情熱家だった。
そして若い時、情熱は若者だけが持てる特権のように思えてた。
果たして今、50歳を過ぎ、その情熱は衰えたのだろうか?

結論から言おう。
情熱はまったく衰えない。
これこそ自らの矜持と言って良いだろう。

もし「情熱」をガソリンに例えれば、
その「パワー値」である「オクタン価」はまったく下がっていない。
だが、若い頃と何かが違うのだ。
それは何だろう?

さて、先に言葉の説明から。
「オクタン価」とは耳慣れない言葉だろう。
ガソリンスタンドに行けば「ハイオク」と書いてある。
このハイオクは「ハイ(高い)オクタン価」という意味で、
要するにガソリンの「パワー値」を表す言葉だと思って欲しい。

私には持論がある。
ビジネスにしろ、スポーツにしろ、学業にしろ、
とにかく何か事を成就するための最も重要なファクターは何だ?と問われれば、
私は迷わず「それは情熱」と答えるだろう。

「情熱」なくして、事は成せない。
そう思っているし、
「情熱」さえあれば、何だってできる。
そう信じている。

だが私は若い頃、歳を取れば、情熱は衰えるモンだと思っていた。
なぜなら50歳を過ぎて、
何か新しい事業を立ち上げる人なんていないからだ。
もちろん体力が落ちるのは明白だが、
同時に「精神のパワー値」である「情熱のオクタン価」が減るんだろう、
そう思い違いをしていた。

だが50歳を超えて、そうではなかったと実感する。

今、50歳を超え、目の前に「険しい山」があれば、
「よーし越えてやる」という気概が湧いてくるのは昔と同じだ。
むしろ若い時よりも知恵者になっている。
越えられないはずはない。
だが、足はすぐには山に向かわないのだ。
なぜだろう?

目の前に2台の車がある。
1300ccと3000ccの車だ。
パワーの違いは乗ればスグに分かるはずだ。
情熱ある人は、
排気量3000ccの車に例えられる。

そして50歳を過ぎたら、
その3000ccだった排気量が1300ccに減ってしまうのか?
いや、そうではないのだ。

歳を取ると、そう、もうお分かりだろう。
ガソリンの「オクタン価」が下がるのではなく、
「ガソリンの量」が少くなる実感に、唖然とさせられたのだ。
この違い、分かってもらえるだろうか。

実は50歳を過ぎても、
3000ccの車は3000ccのままだった。
アクセルペダルをベタ踏みすれば、タイヤを鳴らし加速し、
若い頃と同じようなパワーを出せるのだ。

だが「ガソリン残量」は、外見では分からない。
ぐんぐん加速している車でも、
燃料計の針は「エンプティゾーン」を指しているかもしれないのだ。
ガソリンが尽きれば、車は停止するまでだ。

要するに、25歳と50歳の違いは、
「オクタン価」ではなく、
「ガソリン残量」だったのだ。
これは「残された時間」と言っていい。
この違いを、ズシ~ンと自覚することになる。

我々50歳超チームには、やり直す時間はない。
若い時のように、
トライをして失敗し、トライをして失敗する冗長の時間はない。
よほどに慎重に足を踏み出さなくてはならないはずで、
そこで「逡巡」が生まれてしまうのだ。
口惜しい。

30年前、私は3000ccの車に乗って旅に出た。
ここまで山を越え、谷を越え、果敢に走りを続けてきたのだが、
今、静かに車を路肩に停める。
そして地図を見て、残ったガソリンで、
目の前の山を「越えられるか?」を自問自答するのである。

違う山にするか、
それともガソリンを満載した若い人と併走し、
途中で「夢」を託すのか。
日々、その選択がある。

若い方に提言す。
若い時は二度とない。
後悔など後ですればいい。
今、足を止めてはならない!と。

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 社長 谷洋の独り言ブログ 日々是好日