子供の頃なりたかった職業は何ですか。
私が子供の頃は昭和の高度経済成長時期でした。
あの頃、将来なりたい職業と言えば確か、男の子は野球選手・飛行機のパイロット、
女の子は服屋さんか宝石店またはお菓子屋さんが定番だったように思います。
当時は日本人の好きなものとして「巨人・大鵬・卵焼き」という言葉がありました。
巨人は王・長嶋選手の活躍で9年連続優勝していた時期で「巨人の星」もこの頃の放送です。
大鵬さんは大相撲の横綱で優勝回数も30回以上を数え一時代を築いた大横綱でした。
そんな頃に少年時代を過ごした私は特になりたい職業も見つからなかったのですが、
漠然と"創造力"を使った仕事に就きたいとは考えていました。
言われるままに書類を作ったり何かを組み立てるのではなく、
自分の頭の中で思考して生み出てきたものを具現化する仕事をしたいと思っていました。
画家、陶芸家、作家、作曲家あたりがパッと思いつく職業になりますね。
小さい頃は本をよく読みブロック遊びが大好きだったのですが
残念ながら上記職業の資質は無かったようです。
そんな中、高校時代に初めてコンピューターに出会いました。
今から思えばとんでもないことですが、
ブラウン管に表示される的を矢印キーで追っかけるだけのゲームに夢中になっていました。
インベーダーゲームが社会を席巻していた時期で、
タダで何回も遊べるコンピューターゲームは魅力的に思えていたものです。
また、そんな頃読んだSF小説に「月は無慈悲な夜の女王」というのがありました。
地球に植民地化されていた月世界が独立するお話です。
月世界の中枢にある管理コンピューターが自我を持ち
人間の最初の友達ができたことをきっかけに
地球側の機器でありながら独立闘争に力を貸すあらすじになっています。
コンピューターを味方につけたことが大きな力になるわけですが、
コンピューターは本来指示した通りにしか動きません。
その指示はすべてプログラムで決められています。
小説の中ではありとあらゆる周辺機器を接続し
すべての管理を一台で賄わせた結果自我が生まれたとなっています。
今だったら複数のサーバーにそれぞれ機能を分散させ
一部機能が停止しても全体に被害が広がらないよう構成し、
各機能が正常動作しているか複数のサーバーで監視することが常套手段になっています。
小説が成り立たなくなってしまいますが、自我を持つことは本来エラーであり、バグなんですね。
この小説に感化されたこともあってコンピューターに関わる道を選んだ訳ですが、
プログラムを作るということは答えを出す道筋を作るパズルに似ていて創造力も結構必要な作業です。
決して優秀なプログラマーだったとは言えませんが、天職につけたと思い頑張ってこれたと思います。
いまだ自我を持ったコンピューターに出会っていませんが、AIの技術がこれからも発達していくことでしょうから
近い将来自我を持つコンピューターが出てくるかも知れません。
その時は某映画のスカイネットのようなディストピアよりもユートピアな未来であってほしいものです。
インターネットの普及により簡単にたくさんの情報を手に入れることができるようになり、
職業の選択肢も昔では考えられなかったほど多岐に渡るようになりました。
皆さんも子供の頃になりたかったものを一度思い出してみてください。
そのものではなくても意外と関係ある職業になれているものだと思います。