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2010年9月号

vol. 042

扇子の涼は値段で決まる

~商品の価値はスペックだけでは決まらない。購買心理に潜む不可解な感覚~

我々の展開する「e-コンシェルジュサービス」は廉価が魅力だ。
だが「安過ぎる」を理由に断られることが稀にある。
この忸怩たる思いを紐解いてみた。

まだまだ暑さ残る九月。
最近はめっきり見かけなくなったが、
着物を召した上品なご婦人の、
一服の涼を「扇子」で取る姿に、なんとも言えぬ風情を見る。

涼を取るための扇子は「夏扇」と呼ばれ、
扇の紙面には必ず涼しげな絵柄が描かれている。
暑がりの私は、
通年でこの「夏扇」を持ち歩く扇子党である。

さて今からご紹介するのは実際にあった話だ。

ある雑貨屋さんで扇子が広げて売られていた。
足を止め、手にとって一本を眺めてみた。
面白いことに、
その絵柄には「野球」の絵が描かれていた。
日本情緒を誘うべく扇子の絵柄に「野球」とは…。

だが、作りもしっかりしており、
閉じた時の親骨の先端部もキュッと締まっている。
「肝心要」も安物ではない。
雑貨店で売られてるには、なかなかの逸品だろう。
値札を見ると¥1,800円だ。

少し鼻白んでしまった。
前衛的な若い作家が、奇をてらって描いた扇子に違いなく、
¥1,800円はまさに適正な値段だろう。
しかし買いたいとはまったく思わなかった。
これはオモチャの扇子だ。

そしてそれから2日~3日後だっただろうか。
たまたま三越百貨店の中を歩いていたら、
夏扇を飾ってあるコーナーを見つけた。
すると驚いたことに、
雑貨屋で見つけた、あの「野球」の扇子が売られていたのだ。

若い人をターゲットにした扇子コーナーなんだろう、
と一人合点し、
その「扇子」の値段を見てビックリした。
¥6,000円
「えっ」と声に出してしまったほどだ。

違う品か?
いや、絵柄はまったく同じ。紙質も、作りも。
紙面にある揮毫も、落款も。
間違いない。あの扇子である。
だが、同じ扇子が、方や1,800円、方や6,000円。

どういうことだろう?
三越が「暴利」を貪っているのか?

そんなことを考えながら、
その野球の絵柄を穴が開くほどに眺めていたら、
ナント、
だんだんとその扇子が極逸品に見えてきたから不思議だ。

3倍以上の値段が付いているにも関わらず、
三越にあるこの扇子がたまらなく欲しくなってきたのだ。
見れば見るほど味わい深く、
日本情緒たっぷりの「涼」を誘ってくるのだった。

理由はよく分からない。
だがこの心理の変化は偽りではい。
「6,000円か…。じゃあ買うか…」
なんてバカなことを考え始めた。

今回、「ブランド」について論じるつもりはない。
もちろん「三越」というブランドで、
この扇子の価値、安心感が上がったことは間違いない。
だがそれだけではない。

「夏扇の涼しさは、値段で決まる」
を知ったのである。

科学的にはあり得ない。

木陰に入り、ハンカチで汗を拭い、ネクタイを緩め、
そっと内ポケットから取り出した「夏扇」で涼を取る。
その「夏扇」に、
例え白檀の香りがあろうとも、
値段が1,800円では、どこに風情などあるだろう。

「涼とは優越感である」

これが結論だった。

先日、ある知人の方から相談を受けた。
「自宅のセキュリテーをセコムに依頼しようと思うがどうだろう?」
「セコムは高いじゃないですか」
「ええ。でも高い方が安心でしょ?」

なるほど。

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 社長 谷洋の独り言ブログ